アイのかけはし

アイのかけはし vol.54ainokakehashi

今月のイチオシ~熱田・港地域生活支援拠点~視覚総合相談室


昨年度からスタートした『今月のイチオシ』シリーズ第8弾最終章は、熱田・港地域生活支援拠点です。

熱田・港地域生活支援拠点は、熱田区と港区にある相談事業所や放課後等デイなど6事業所から成り立っています。今月のイチオシとして、熱田区にある 日々のくらし相談室内の視覚総合相談室を取り上げたいと思います。


今回は、視覚総合相談室のお二人にお話を伺いたいと思います。

Fさん:当事者相談員。視覚障害に関してはお任せあれ。
Iさん:名古屋ライトハウスで活躍。現役歩行訓練士


日々のくらし相談室の看板の前にたつFさんIさん

インタビューを受ける二人 右Fさん 左Iさん


視覚総合相談室ってありますが、簡単に事業の内容教えてください!


F:見えない、見づらい方の相談や歩行訓練を来所・訪問で対応しています。必要に応じて、名古屋市外にも訪問します。また、今年度から名古屋市の「代筆・代読支援員派遣事業」を受託し、支援員の養成と派遣も始めています。


視覚障害に特化した相談場所って珍しいんですか?


F:全国的にも、相談窓口単発で事業をしている所は珍しいのですよ。ほとんど点字図書館やリハビリ施設の中にある場合が多いんです。
進行:先ほど、必要に応じて、名古屋市外にとありましたが、どこまで行ったことがあるんですか?
I:歩行訓練で、足助や南知多に行ったり、岐阜県に出かけたこともあります。もちろん必要に応じてなので、基本的には名古屋市内です。でも、歩行訓練士も少ないんです。東京や大阪だと2桁の歩行訓練士がいるんですが、愛知県内で実働している歩行訓練士は6~7名。他の歩行訓練士は利用に条件や制約があったりするので、僕のように訪問で手軽に使える歩行訓練士って珍しいんですよ!!
進行:へぇー。レアキャラですね(笑)
F:うちの事業所は、見えない、見えづらい方の相談と先ほど言いましたが、特に手帳がなくても良いんです。全国に31万人ほど視覚障害の手帳所持者がいらっしゃいます。また、手帳がなくてもロービジョンと言って実際には見えにくい人が150万人。その他、未受診の方もいらっしゃると思うので、視覚に障害を持っている人って結構いらっしゃるんです。でも手帳がないと使えないサービスもたくさんあります。うちみたいなところで初回相談をしていただける方もたくさんいらっしゃいます。


歩行訓練をしているIさん

歩行訓練をしている様子


相談をする中で印象に残っている事ありますか?


I:視覚に障害がある方が多そうな話をしましたが、実際に障害や高齢者の中に入るととても少数派なんです。なので見えづらいというだけで、懸念されたりしているようです。その中で、施設に相談に出かけて、少し工夫をお伝えしただけで、受け入れ環境が変わったり、本人の気持ちの変化もあるんです。情報を知っているか知らないかってとっても大きいですね。
F:私は音声時計1つで、涙を流して感謝されることが何度かありました。時計一つでこんなに喜んでもらえるんですね。それだけ苦労されていたんですね。『見えない・見えづらい=何もできない』と思われている当事者の方、支援者の方は多いんですよ。私は当事者なので、私が行くだけで『頑張らなきゃ』と思ってもらえたり、出来ることがたくさんあることを知ってもらえています。


最後に今後の目標とかってあるんですか?


F・I:今後も視覚障害についての相談を受けていきます。1件1件の相談ももちろん大事にしていきます。訪問することで、具体的に見えることもあるので、訪問も続けていきたいです。加えて、『1を10にしていきたいんです。』視覚障害者の数は他の障害と比べるとまだ少数派なんです。なので、視覚障害というだけで懸念されます。でも少しの工夫をお伝えするだけで、変化があるんです。今後は、支援者やヘルパーさんに視覚障害の啓蒙理解を深めていただけるような啓発活動や取組を行っていきたいです。
進行:まさに、『ひとりのしあわせのために』ですね。また、『福祉サービスの理想像を求めて常に前進する』という法人の理念も思い出しました。今後が楽しみです。お二人の活躍を応援したいと思います。


インタビュアーとインタビューを受ける二人

インタビュー中の様子


これで、イチオシ特集は終了となります。いかがでしたでしょうか?
今後はまた新たな特集を組む予定となっております。何か興味のある特集内容がありましたら、ご意見いただけたらと思います。
来月は、オンライン芸術祭を予定しております。お楽しみに~


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