アイのかけはし vol.109ai
備蓄用パン缶「パンですよ」の歴史をご紹介
今回は、9月記事のテーマである「防災」ににちなみ、港ワークキャンパスで製造しているパンの缶詰「パンですよ」と「防災」関連の仕事についてご紹介していきます。
①パン缶づくりの歩みとチャレンジ
平成18年2月、「KAN食品開発センター」が誕生しました。
当時はまだ硬い乾パンが主流で、「もっと食べやすく、美味しい非常食をつくりたい!」という思いからスタートしたのが、パン缶づくりのはじまりです。
きっかけは、北海道の福祉施設から学んだ製造方法。そこから港区築地口にある光和寮分場での挑戦が始まりました。現在は「港ワークキャンパス」に拠点を移し、就労継続支援B型の事業として、ひとつひとつ丁寧に製造を続けています。
現在は、5種類の味(チョコチップ味、レーズン味、コーヒーナッツ味、あずきミルク味、プレーン)がありますが、これまでに試作してきたオリジナルのパン缶は、実にバラエティ豊か!
うなぎのタレ入り、人参パウダー入り、味噌風味…などユニークな味にも挑戦してきました。さらに南陽高校の生徒さんとコラボして、玉ねぎととうもろこしを使ったパン缶も制作。地域や人とのつながりの中で、新しいアイデアがどんどん形になっています。
そして、「パンですよ」のオリジナルキャラクターも誕生!
パン缶を、もっと多くの人に知ってもらえるきっかけになればと思っています。

送迎車に!

港ワークキャンパスのエレベーターのとびらにも「パンですよ」のキャラクターが描かれています。
②パン缶がもっとも売れているところは?
パン缶はいま、防災関連の商社を中心におよそ200か所と取引があります。これまでは団体などで備蓄されることが多く、「公助」としての役割が大きな部分を占めていました。
でも最近は、ネット販売を通じて個人の購入がぐんと増えています。自分や家族のために非常食を備える「自助」の意識が高まってきていて、家庭用の防災アイテムとしてパン缶を選んでくださる方が多いのです。
さらに、ちょっと意外かもしれませんが“贈答用”としても人気が出ています。大切な人に安心を贈るという気持ちが込められていて、とても素敵な広がり方ですよね。
名古屋市のふるさと納税の返礼品にも登録されていて、パン缶は少しずつ、でも確実に身近な存在になっています。
「もしも」に備えるだけでなく、贈り物や地域とのつながりの中で、パン缶の新しい価値がどんどん広がっているのを感じます。

最近は贈答用もあります。

高級感あふれます。
③パン缶製造のほかにも防災関連のお仕事をしています
港ワークキャンパス就労継続支援B型では、パン缶の製造だけでなく、防災に関わるさまざまなお仕事にも取り組んでいます。
これまでには、防災用ヘルメットの取り付け作業を担当したこともありました。最近では、備蓄用トイレットペーパーにシールを貼る作業など、生活に直結する防災アイテムのお手伝いもしています。
防災関連の作業はもちろん、それ以外にも幅広い仕事を通して、地域や社会の役に立つ活動を続けています。
「安心を支える仕事」をひとつずつ積み重ねていくことが、私たちの大きな使命になっています。

備蓄用トイレットペーパーのシール貼り作業をしている利用者さん。